「同じ指示を毎回ChatGPTに貼り付けている」。そんな手間はGPTsで解消できます。本記事では、GPTsの作成手順からInstructionsの書き方、社内共有の設定、業務別の作成例までノーコードで解説します。結論、指示を3ブロックに絞れば、精度の高いGPTsは30分で作れます。
GPTsとは|通常のChatGPTとの違い
GPTsとは、特定の業務向けにカスタマイズできるChatGPTの拡張機能です。プログラミング不要で、自社専用のAIアシスタントを作成できます。
通常のChatGPTでは、毎回プロンプトで前提条件を説明する必要があります。GPTsなら指示と資料を事前登録できるため、開くだけで専用モードとして使えます。
| 項目 | 通常のChatGPT | GPTs |
|---|---|---|
| 指示の入力 | 毎回必要 | 事前登録で不要 |
| 参照資料 | 都度アップロード | ナレッジとして常時参照 |
| 共有方法 | プロンプトを配布 | URLで配布 |
| 出力品質 | 使う人の腕次第 | 誰でも同じ品質 |
社内にプロンプトの上手な人が1人いれば、その知見を全員に配れます。これがGPTs最大の価値です。
GPTsを作るのに必要なプランと料金
GPTsの作成には、ChatGPT Plus以上の有料プランが必要です(2026年時点)。無料プランでは他者が作ったGPTsを一部利用できますが、作成はできません。
| プラン | 月額の目安 | GPTs作成 | 社内共有 |
|---|---|---|---|
| Free | 0円 | 不可 | 利用のみ一部可 |
| Plus | 20ドル前後 | 可 | リンク共有 |
| Team | 25〜30ドル/人 | 可 | ワークスペース内共有 |
料金は2026年時点の目安です。最新の価格は公式サイトで確認してください。
社内で本格運用するなら、Teamプランが有力です。共有範囲をワークスペース内に限定でき、入力内容が学習に使われない設定が標準だからです。
GPTsの作り方|7ステップの作成手順
GPTsは次の7ステップで作成できます。慣れれば、最初の1体は30分程度で形になります。
- ChatGPTにログインし、サイドバーの「GPT」から「作成する」を選ぶ
- 「作成」タブではなく「構成」タブを開く
- 名前と説明を入力する(例: 問い合わせ一次回答Bot)
- Instructions(指示)欄に役割・手順・禁止事項を書く
- ナレッジ欄にFAQやマニュアルのファイルをアップロードする
- ウェブ検索や画像生成など、必要な機能だけオンにする
- 右側のプレビューでテストし、共有範囲を設定して公開する
「作成」タブは対話形式で設定できますが、意図しない指示文になりがちです。細かく管理したい業務用GPTsは、「構成」タブから直接書く方法が確実です。
公開後も編集画面からいつでも修正できます。まず動くものを作り、テストしながら育てる進め方が現実的です。
精度を決めるInstructionsの書き方
Instructionsは「役割・手順・禁止事項」の3ブロックに絞って書きます。研修で数百件のGPTs作成を見てきた経験では、失敗するGPTsの多くは指示が長すぎることが原因です。
指示を詰め込むほど賢くなると考えがちですが、実際は逆です。要求が多いと指示同士が干渉し、どれも中途半端にしか守られなくなります。
そのまま使える3ブロックテンプレート
# 役割
あなたは〇〇株式会社の△△業務を担当するアシスタントです。
利用者は□□で、目的は◇◇です。
# 手順
1. ユーザーの入力から〜を確認する
2. ナレッジの〜を参照して回答する
3. 回答の最後に〜を添える
# 禁止事項
- ナレッジにない情報を推測で答えない
- 個人情報を尋ねない
- 「〜」という表現を使わない
各ブロックは5行以内が目安です。10行を超えたら、対応範囲を広げすぎています。複数のGPTsに分割するサインと考えてください。
よくある失敗パターン
- 網羅型: あれもこれも対応させようとして、どの業務でも精度が落ちる
- 曖昧型: 「いい感じに」「適切に」など、解釈が割れる表現を使う
- 例なし型: 出力の見本がなく、回答の形式が毎回ばらつく
出力形式を固定したいときは、Instructionsの末尾に見本を1つ貼ります。長い説明を足すより、良い見本1つのほうが効きます。
ナレッジファイル活用と社内共有設定の比較
ナレッジファイルには、回答の根拠となる自社資料を登録します。共有設定は用途に応じて4段階から選びます。
ナレッジファイルに入れる資料
FAQ、業務マニュアル、過去の回答例などのテキスト系資料が向いています。PDFやWord、テキストファイルを登録でき、上限は1体あたり20ファイルが目安です。
表や画像が多い資料は、読み取り精度が落ちやすい点に注意してください。可能ならテキスト中心の形式に変換してから登録します。
共有設定の比較
| 共有範囲 | 主な用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自分のみ | 個人の作業効率化 | 他者と共有できない |
| リンクを知っている全員 | 小規模チームでの共有 | URLが漏れると社外も利用可 |
| GPTストアに公開 | 社外向けの一般公開 | 誰でも利用できる |
| ワークスペース内(Team) | 社内共有の本命 | Teamプラン契約が必要 |
機密資料をナレッジに入れる場合、リンク共有は避けてください。会話の工夫しだいで、ナレッジの中身を引き出されるおそれがあるためです。社外秘の資料を扱うなら、Teamプランのワークスペース共有が安全です。
業務別GPTs作成例|問い合わせ対応・原稿作成・チェック業務
GPTs化の効果が出やすいのは、手順が決まった繰り返し業務です。中小企業でよく作られる3つの型を紹介します。
問い合わせ一次回答GPT
FAQと過去の回答例をナレッジに登録し、回答文の下書きを作らせます。役割は「一次回答の下書き担当」に限定し、送信前に人が確認する運用にします。禁止事項に「ナレッジにない質問は担当者への引き継ぎ文を返す」と書くのがポイントです。
原稿作成GPT
自社のトーン&マナー資料と過去原稿をナレッジに入れます。メルマガ、SNS投稿、ブログ下書きなど、媒体ごとに分けて作ると精度が安定します。手順に「構成案→本文の2段階で出す」と書くと、修正の手戻りが減ります。
チェック業務GPT
表記ルールやチェックリストをナレッジに登録し、原稿の校正や規定チェックを任せます。出力形式を「指摘箇所・理由・修正案」の表に固定すると、確認が速くなります。判断が割れる項目は人の確認に回すよう、禁止事項に明記してください。
よくある質問
無料プランでもGPTsを作れますか?
作成はできません(2026年時点)。GPTsの作成にはPlus以上の有料プランが必要です。ただし、他の人が作ったGPTsの利用は無料プランでも一部可能です。
プログラミングの知識は必要ですか?
不要です。GPTsは画面上の入力だけで完結するノーコード機能です。必要なのはプログラミングではなく、業務の手順を言葉で説明する力です。
社内の機密情報をナレッジに入れても大丈夫ですか?
共有範囲と学習設定に注意すれば運用できます。リンク共有は避け、Teamプランのワークスペース共有を使ってください。個人プランの場合は、設定から入力内容の学習利用をオフにできます。
作ったGPTsが期待どおりに動きません。どこを直すべきですか?
まずInstructionsを短くしてください。指示が長すぎて干渉しているケースが大半です。役割・手順・禁止事項の3ブロックに整理し、対応範囲を1業務に絞ると改善します。
まとめ|繰り返し業務をGPTs化する
- GPTsは指示と資料を事前登録した自社専用のChatGPT
- 作成にはPlus以上の有料プランが必要(2026年時点)
- Instructionsは役割・手順・禁止事項の3ブロックに絞る
- 機密資料を使うならTeamプランのワークスペース共有を選ぶ
- 効果が出やすいのは問い合わせ対応・原稿作成・チェック業務
次のアクションとして、毎週繰り返している定型業務を1つ選んでください。その手順を3ブロックで書き出せば、最初のGPTsは今日から作り始められます。
GPTsの設計やInstructionsの書き方を体系的に学びたい方には、EMPLAYのAI研修プログラム「EMPLAY AI ACADEMY」があります。自社の業務を題材に、実際にGPTsを作りながら学べる実践型の研修です。社内へのAI定着を進めたい方は一度ご覧ください。
関連記事
- ChatGPT業務活用完全ガイド|中小企業の生産性を劇的に向上させる実践テクニック - GPTsの前に押さえたいChatGPT活用の基礎
- 【2026年最新】AIツール完全ガイド|15カテゴリ70+ツールを徹底比較 - GPTs以外のAIツールとの使い分けに
- チャットボット導入ガイド|種類・選び方・費用・活用事例を徹底解説 - 社外向けチャットボットを検討する際の比較に
- Claude(クロード)の使い方完全ガイド|ビジネス活用から料金プランまで解説 - 類似のカスタマイズ機能を持つ代替AIの参考に