Figma AIは、デザインツールFigmaに統合されたAI機能群です。テキストからのUI生成やレイヤー整理の自動化により、初稿づくりにかかる時間を大きく削減できます。
本記事では、主要5機能の使い方と業種別プロンプト例、料金プラン、他ツールとの比較までを解説します。無料プランで試せる機能から紹介するので、今日から使い始められます。
Figma AIとは? - デザインワークフローを変革するAI
Figmaとは
Figmaは、クラウドベースのデザインツールです。UI/UXデザイン、プロトタイピング、デザインシステム構築まで、デジタルプロダクトデザインを一通りカバーします。
主な特徴:
- ブラウザで動作(インストール不要)
- 複数人でのリアルタイム共同編集
- デスクトップアプリも利用可能
- 無料プランあり
Figma AIの概要
Figma AIは、2023年から段階的に提供が始まったFigmaのAI機能群です。UIの初稿生成やレイヤー整理など、時間のかかる作業を自動化します。
Figma AIでできること:
- テキストからUIデザインを生成(Make Designs)
- デザイン用の画像を生成・編集
- レイヤー名の自動リネーム
- ダミーテキスト・データの自動生成
- プロトタイプの自動作成
従来のデザインプロセスとの違い
最大の違いは、ゼロから形にする工程をAIに任せられる点です。作業時間の目安を比較すると次のようになります。
| 工程 | 従来 | Figma AI活用 |
|---|---|---|
| 要件確認 | 30分 | 30分 |
| 参考探し・ワイヤーフレーム | 3時間 | AIでベース生成 10分 |
| UIデザイン作成 | 4時間 | カスタマイズ・調整 2時間 |
| バリエーション作成 | 2時間 | AI生成 10分 |
| レイヤー整理 | 30分 | AI整理 5分 |
| 合計 | 約10時間 | 約3時間 |
短縮できた時間は、アイデアの検証や細部の作り込みに回せます。試せる案の数が増えることが、時間短縮以上のメリットです。
Figma AIの料金プラン
プラン別の機能
AI機能をフルに使うには、Professional以上のプランが必要です。
| プラン | 月額 | AI機能 |
|---|---|---|
| Starter(無料) | ¥0 | 一部のAI機能 |
| Professional | $15/エディター | フルAI機能 |
| Organization | $45/エディター | フルAI機能 + 管理機能 |
| Enterprise | 要問合せ | カスタムAI + セキュリティ |
無料プランでできること
無料のStarterプランでも、次のAI機能を試せます。
- レイヤー名の自動リネーム
- 一部のコンテンツ生成
- Make Designs(回数制限あり)
まず無料枠で使用感を確かめ、回数制限が足りなくなったら有料化を検討する流れで十分です。
Professionalプランのおすすめポイント
業務で日常的に使うなら、Professionalプラン($15/月)が現実的な選択肢です。AI機能を無制限に使え、チームでの共同編集にも対応します。
含まれる機能:
- すべてのAI機能が無制限
- チームでのコラボレーション
- バージョン履歴(30日間)
- 共有リンク
主要機能1: Make Designs(UIデザイン自動生成)
Make Designsとは
Make Designsは、テキストの説明からUIデザインを生成する機能です。Figma AIの中核機能で、デザインの初稿づくりを数分に短縮します。
例えば「ログイン画面、メールとパスワード入力、青を基調としたモダンなデザイン」と入力すると、条件に合うログイン画面のUI案が生成されます。
使い方(ステップバイステップ)
ステップ1: Make Designsを起動
- Figmaでファイルを開く
- キャンバス上で右クリック
- 「AI」→「Make Designs」を選択
ショートカットの場合は、Command/Ctrl + Kで検索を開き、「Make Designs」と入力して選択します。
ステップ2: プロンプトを入力
作りたいUIを説明するテキストを入力します。
良いプロンプトの例:
「ECサイトの商品詳細ページ、大きな商品画像、
価格と購入ボタン、レビュー星評価、
白背景にオレンジのアクセントカラー」
ステップ3: 生成を待つ
数秒〜十数秒で、複数のデザインバリエーションが生成されます。
ステップ4: 選択・カスタマイズ
- 気に入ったデザインを選択
- 必要に応じて手動で調整
- コンポーネント化して再利用
プロンプトの書き方(コツと例)
プロンプトは「画面の種類・主要な要素・スタイル・カラー」の4点を押さえると精度が上がります。
基本構成:
[画面の種類] + [主要な要素] + [スタイル/トーン] + [カラー]
業種別プロンプト例:
ECサイト:
商品一覧ページ、カード型レイアウト、
商品画像・名前・価格・お気に入りボタン、
4列グリッド、ミニマルデザイン、
白背景にブラックのテキスト
SaaSダッシュボード:
管理画面ダッシュボード、
左サイドバーナビゲーション、
KPIカード4つ、折れ線グラフ、データテーブル、
ダークテーマ、紫のアクセントカラー
モバイルアプリ:
フードデリバリーアプリのホーム画面、
検索バー、カテゴリスクロール、
おすすめ店舗カード、下部タブナビゲーション、
明るくフレンドリーな雰囲気、赤とオレンジ
SNS/コミュニティ:
SNSアプリのプロフィール画面、
丸いアバター、フォロワー数、投稿グリッド、
編集ボタン、タブ切り替え、
クリーンでモダン、ブルー系
避けるべきプロンプト
抽象的な指示は避け、要素と色を具体的に書きます。
❌ 悪い例:
- 「かっこいいデザイン」(抽象的すぎる)
- 「いい感じのUI」(具体性がない)
- 「モダンな画面」(要素の指定がない)
✅ 良い例:
- 具体的な画面の種類を指定
- 必要な要素をリストアップ
- 色やスタイルを明確に
Make Designsの活用シーン
1. アイデア出し・ブレスト
同じ要件で10パターン生成し、チームで議論して方向性を決めます。手描きラフを持ち寄るより短時間で選択肢を並べられます。
2. クライアント提案
要件をプロンプト化して複数バリエーションを生成し、クライアントに選択肢として提示します。具体案を前に議論できるため、フィードバックの精度が上がります。
3. プロトタイプの高速作成
主要画面をAIで生成し、画面遷移を設定すればクリッカブルプロトタイプが完成します。ユーザーテストまでの準備期間を短縮できます。
主要機能2: 画像生成
Figma内での画像生成
Figma AIでは、デザインに使う画像をFigma内で直接生成できます。外部の画像生成ツールを往復する手間がありません。
使い方:
- 画像を配置したいフレームを選択
- 右クリック→「AI」→「Generate Image」
- 生成したい画像を説明
- 生成された画像から選択
プロンプト例:
「オフィスで働く若い日本人ビジネスパーソン、
ノートPCを使っている、明るい自然光、
プロフェッショナルな雰囲気」
画像生成の活用シーン
1. モックアップ用のダミー画像
実画像が用意できない段階で、それらしい画像を生成してモックアップを完成させます。
2. ヒーロー画像・背景
Webサイトのヒーローセクションやバナーの背景画像を生成します。
3. アイコン・イラスト
シンプルなアイコンやイラストを生成し、デザインに組み込みます。
注意点
- 生成画像の利用条件はFigmaの規約に従う
- 人物の顔が入る画像は精度にばらつきがある
- 商用利用前に品質と権利関係の確認が必要
主要機能3: Auto Rename Layers(レイヤー自動リネーム)
なぜレイヤー名が重要か
レイヤー名の整理は、チーム作業と開発引き継ぎの効率を左右します。作業中は「Frame 123」「Group 456」のような自動名が溜まりがちですが、放置すると次の問題が起きます。
- チームコラボレーション: 他のデザイナーがファイルを理解できない
- 開発者への引き継ぎ: エンジニアがコンポーネントを特定できない
- 保守性: 後から編集する際に目的のレイヤーを探せない
Auto Rename Layersの使い方
ステップ1: レイヤーを選択
リネームしたいレイヤー(複数可)を選択します。
ステップ2: AIリネームを実行
- 右クリック→「AI」→「Rename Layers」
- または、メニュー「Plugins」→「Rename Layers」
ステップ3: 確認・適用
AIが提案した名前を確認し、問題なければ適用します。
リネームの例
変更前 → 変更後
Frame 1234 → Login Button
Group 56 → Header Navigation
Rectangle 789 → Search Input Field
Ellipse 12 → User Avatar
活用のコツ
実行タイミングを決めておくと運用が安定します。おすすめは次の2つです。
1. 作業の最後にまとめて実行: デザイン完了後に全レイヤーを選択して一括リネームすれば、作業中の中断がありません。
2. 開発引き継ぎ前に実行: デザイン確定時に実行しておくと、開発者がコンポーネント名を把握しやすくなります。
主要機能4: Content Generation(コンテンツ生成)
コンテンツ生成とは
デザインに必要なダミーテキストやデータを、AIが自動生成する機能です。「山田太郎」を何十回もコピーする作業から解放されます。
生成できるもの:
- ユーザー名
- メールアドレス
- 住所
- 電話番号
- 日付
- 商品名・説明
- レビューテキスト
使い方
テキストレイヤーでの使用:
- テキストレイヤーを選択
- 右クリック→「AI」→「Generate Content」
- 生成したいコンテンツの種類を選択
リピートグリッドと組み合わせれば、大量のダミーデータを一括生成できます。
活用例
ユーザーリスト:
田中太郎 → 鈴木花子 → 佐藤健一 → ...
tanaka@example.com → suzuki@example.com → ...
商品リスト:
商品名: オーガニックコットンTシャツ
価格: ¥3,980
レビュー: 「肌触りが良く、着心地抜群です」
SNS投稿:
ユーザー名: @design_lover
投稿: 「今日は新しいプロジェクトに着手。楽しみ!」
いいね: 234
コメント: 18
主要機能5: Auto Layout Suggestions
Auto Layoutとは
Auto Layoutは、要素を自動で整列・配置するFigmaの機能です。レスポンシブデザインの基盤になりますが、手動設定には手間がかかります。
AIによるAuto Layout提案
Figma AIは既存のデザインを分析し、Auto Layoutの適用を提案します。フレームを選択すると、AIがパディングやギャップの設定案を出すので、そのまま適用するかカスタマイズします。
手動設定の手間が減り、レスポンシブ対応の初期設定が速くなります。
実践的な活用フロー
フロー1: 新規プロジェクトのキックオフ
3日間でプロトタイプまで到達するフローの例です。
Day 1: 要件整理とアイデア出し
要件をテキストで整理し、Make Designsで10パターン生成します。チームでレビューし、方向性を3パターンに絞ります。
Day 2: デザイン詳細化
選んだ方向性をベースに詳細デザインを作り、コンポーネント化します。Auto Rename Layersで整理し、Content Generationでダミーデータを追加します。
Day 3: プロトタイプ・レビュー
画面遷移を設定してクリッカブルプロトタイプを完成させます。ステークホルダーレビューを実施し、フィードバックを反映します。
フロー2: 既存デザインの改善
現状のデザインを分析したうえで、Make Designsで改善案を生成します。良いアイデアを既存デザインに取り入れ、A/Bテスト用のバリエーションを作成します。
フロー3: デザインシステム構築
主要コンポーネントをMake Designsで生成し、統一感を確認・調整します。Auto Rename Layersで命名規則を揃え、コンポーネントライブラリ化します。
効果的なプロンプトライティング
プロンプトの基本構造
情報量の多い画面ほど、構造を意識して書くと精度が安定します。
[画面タイプ] + [主要コンテンツ] + [レイアウト] + [スタイル] + [カラー]
詳細なプロンプトテンプレート
ランディングページ:
SaaSプロダクトのランディングページ、
ヒーローセクション(キャッチコピー + CTA)、
特徴セクション(3カラム)、
料金プランセクション(3プラン比較表)、
FAQセクション(アコーディオン)、
フッター、
ミニマルでプロフェッショナル、
ネイビーと白
管理画面:
プロジェクト管理ツールのダッシュボード、
左サイドバー(ナビゲーション + ユーザー情報)、
ヘッダー(検索 + 通知 + プロフィール)、
メインエリア(KPIカード4つ、タスクリスト、カレンダー)、
モダンでクリーン、
ライトグレー背景、ブルーアクセント
モバイルアプリ:
ヘルスケアアプリのホーム画面(iPhone 14サイズ)、
上部に今日の目標達成率(円グラフ)、
アクティビティサマリー(歩数、消費カロリー、心拍数)、
週間トレンドグラフ、
下部タブナビゲーション、
フレンドリーで明るい、グリーン系
日本語 vs 英語
日本語でも動作しますが、英語の方が精度が高い場合があります。細かいニュアンスの指定は英語が有利なことが多いためです。
おすすめのアプローチ:
- まず日本語で試す
- 結果が期待と違えば英語で試す
- 両方試して良い方を採用
他のAIツールとの連携
Figma + ChatGPT/Claude
テキスト系AIは、プロンプト作成とコピーライティングで役立ちます。
活用法1: プロンプトの作成
「ECサイトの商品詳細ページ用に、Figma AIへ入力する効果的なプロンプトを作って」とChatGPTに依頼し、回答をFigma AIに入力します。
活用法2: コピーライティング
Figma AIでUIを生成した後、ChatGPTでUIに入れるコピーを作成し、Figmaに配置します。
Figma + Midjourney/DALL-E/Firefly
より高品質な画像が必要な場合は、画像生成の専門ツールと併用します。MidjourneyやFireflyで生成した画像をFigmaに配置し、UIデザインに組み込む流れです。モックアップ用途ならFigma内蔵の画像生成で足りることも多いので、目的で使い分けます。
Figma + GitHub Copilot
デザインから実装への橋渡しにも使えます。Figmaで完成したデザインを開発者が参照し、GitHub Copilotの支援でコードを書けば、デザインと一致するUIを効率的に実装できます。
おすすめのAI対応プラグイン
Magician
機能:
- AIによるデザイン生成
- コピーライティング
- アイコン生成
料金: 無料(一部有料)
Automator
機能:
- ワークフローの自動化
- 繰り返し作業の効率化
料金: 無料
Content Reel
機能:
- AIによるコンテンツ生成
- ダミーデータの一括生成
料金: 無料
Unsplash
機能:
- 高品質な無料画像を検索・挿入
- AIによる画像検索
料金: 無料
Figma AI vs 他のデザインAI
比較表
UI/UXデザインと開発連携ではFigma AIが優位です。画像生成が主目的なら他ツールが向いています。
| 項目 | Figma AI | Framer AI | Canva AI | Adobe Firefly |
|---|---|---|---|---|
| UI/UXデザイン | ◎ | ○ | △ | △ |
| 画像生成 | ○ | ○ | ◎ | ◎ |
| プロトタイプ | ◎ | ◎ | × | × |
| コラボレーション | ◎ | ○ | ○ | △ |
| 開発連携 | ◎ | ◎ | × | × |
| 日本語 | ○ | ○ | ◎ | ○ |
| 価格 | $15/月〜 | $5/月〜 | $12.99/月〜 | ¥680/月〜 |
使い分けの目安
Figma AI
- 本格的なUI/UXデザイン
- チームでの協業
- 開発チームとの連携
- デザインシステム構築
Framer AI
- Webサイト制作(コードなし)
- ランディングページ
- ポートフォリオサイト
Canva AI
- マーケティング素材
- SNS画像
- プレゼンテーション
Adobe Firefly
- 画像生成・編集
- Photoshopとの連携
- 商用利用(著作権クリア)
よくある質問(FAQ)
Q1. Figma AIは無料で使えますか?
A. 一部の機能は無料プランでも使えます。レイヤー名の自動リネーム、一部のコンテンツ生成、回数制限付きのMake Designsが対象です。Make Designsの無制限利用など、すべてのAI機能を使うには有料プラン($15/月〜)が必要です。
Q2. 日本語のプロンプトに対応していますか?
A. 対応しています。ただし、複雑な指示では英語の方が良い結果になることがあります。シンプルな指示は日本語で、精度が出ないときは英語で試すのが実用的です。
Q3. 生成されたデザインの著作権は?
A. Figmaの利用規約に従い、生成されたデザインはユーザーが自由に使えます。商用利用も可能です。
注意点:
- 既存の有名ブランドを模倣するプロンプトは避ける
- 人物の顔が入る画像は権利関係に注意
Q4. AIが生成したデザインはそのまま使えますか?
A. たたき台としては使えますが、本番利用にはカスタマイズが必要です。AIは0→1の作業を効率化するもので、最終的な品質担保はデザイナーが行います。生成→調整→完成という流れを前提に使うのが現実的です。
Q5. デザイナーの仕事はAIに奪われますか?
A. 定型作業は置き換わりますが、デザイナーの役割はなくなりません。AIが得意なのは、定型作業の自動化と大量のバリエーション生成です。
一方、ビジネス課題の理解、ユーザーへの共感、ブランド体験の設計、AI出力の評価・調整は人間の仕事です。AIを使いこなすデザイナーほど、こうした上流の仕事に時間を使えるようになります。
デザイン制作のご相談
Figma AIをはじめとするツールの進化で、デザイン制作の効率は上がりました。一方で「ツールは使えるが戦略的なデザインができない」「AIの生成物をどう活かせばいいかわからない」という声もあります。
EMPLAYでは、戦略設計からツール活用まで、デザイン制作を包括的にサポートしています。
EMPLAYのサービス:
Webデザインの依頼やリニューアルを検討中の方は、お問い合わせ からご連絡ください。無料相談を承っています。
まとめ
Figma AIは、デザインの初稿づくりと単純作業を自動化するAI機能群です。導入時は次の4点を押さえてください。
- 主要機能: Make Designs(UI生成)、画像生成、Auto Rename Layers、Content Generationの4つが柱
- プロンプト: 画面の種類・要素・スタイル・色を具体的に書く。精度が出なければ英語で試す
- AIの位置づけ: 生成物はたたき台。最終品質はデザイナーが担保する
- ツール連携: プロンプト作成はChatGPT/Claude、高品質画像はMidjourney/Fireflyと併用
まずは無料プランで、小さなプロジェクトからAI機能を試してみてください。
関連記事
デザイン・AI活用についてさらに詳しく知りたい方へ。
- AIツール完全ガイド - 主要AIツール70選
- Canvaビジネス活用ガイド - マーケティングデザイン
- Adobe Firefly完全ガイド - AI画像生成
- Midjourney完全ガイド - 高品質画像生成
※本記事の情報は2026年1月時点のものです。Figma AIの機能は頻繁に更新されるため、最新情報は<a href="https://www.figma.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer nofollow">公式サイト</a>をご確認ください。