ビジネス

電子契約サービス比較ガイド|クラウドサイン・freeeサイン・GMOサインの選び方

電子契約サービス比較ガイド|クラウドサイン・freeeサイン・GMOサインの選び方

「電子契約を導入したいけど、どのサービスを選べばいい?」「紙の契約書と法的効力は同じ?」「導入コストや手間はどれくらい?」

電子契約は、契約書の作成・締結・管理をデジタル化するサービスです。印紙税や郵送費がかからず、締結までの時間も数週間から数時間へ短縮できるため、導入する企業が増えています。

この記事では、電子契約の基本と主要サービスの違い、導入の進め方までを具体的に解説します。


電子契約とは

定義と仕組み

電子契約とは、紙の契約書の代わりに電子データで契約を締結する方法です。PDFで作成した契約書に電子署名を付与し、相手方の合意を得て双方で保管します。

基本的な流れ:

  1. 契約書をPDFで作成・アップロード
  2. 相手方にメールで送信
  3. 相手方が電子署名で合意
  4. 双方に締結済み契約書が保管

電子署名には、契約当事者が電子証明書で署名する「当事者型」と、サービス事業者が署名を代行する「立会人型(事業者型)」の2種類があります。当事者型は本人性の証明が強い一方で手続きが重く、立会人型は導入が手軽で、現在の電子契約サービスの主流です。

紙の契約との違い

紙と比べた最大の差は、コストと締結スピードです。電子契約なら印紙税・郵送費・保管スペースがかからず、締結も数分から数時間で完了します。

項目電子契約紙の契約
印紙税不要必要
郵送費不要必要
締結までの時間数分〜数時間数日〜数週間
保管スペース不要必要
検索性高い低い
改ざん防止技術的に担保物理的管理

法的有効性

電子契約は紙の契約書と同じく法的に有効です。民法上、契約の成立に書面は必須ではなく、電子署名法が電子署名の効力を裏付けています。

関連する法律:

  • 電子署名法(2001年施行)
  • 電子帳簿保存法(2024年改正で電子取引の保存が義務化)
  • 民法(契約の成立に書面不要)

電子署名法第3条は、本人による電子署名が行われた電磁的記録について「真正に成立したものと推定する」と定めています。この推定効により、電子契約は訴訟の場でも証拠として扱えます。


電子契約のメリット

コスト削減

電子契約の導入効果が最も見えやすいのがコスト削減です。特に印紙税と郵送費は、契約件数が多いほど負担が大きく、電子化でそのまま削減できます。

削減できるコストは、印紙税(契約金額に応じて数百円〜数十万円)、郵送費(往復で500〜1,000円程度)、印刷費、保管コスト(倉庫費用など)です。

試算例: 月100件の契約を締結する場合、印紙税を平均1,000円とすると月10万円、郵送費500円とすると月5万円。合わせて月15万円、年間180万円のコスト削減が見込めます。

業務効率化

締結までの時間短縮も大きな効果です。郵送でのやり取りが不要になり、数週間かかっていた締結が数時間で済みます。

さらに、契約書はキーワードで検索でき、承認フローも自動化されます。締結状況を管理画面で可視化できるため、どの契約が誰の承認待ちかも一目で把握できます。

テレワーク対応

押印のためだけの出社が不要になる点も見逃せません。契約書はクラウド上にあり、どこからでもアクセスして締結できます。

在宅勤務が定着した企業でも、契約業務だけは出社が必要というケースは少なくありません。電子契約はこの「ハンコ出社」を解消します。

コンプライアンス強化

管理面では、改ざん防止とアクセスログの記録が標準で備わります。誰がいつ契約書を開いたかが残るため、内部統制の観点でも紙より優れます。

期限管理を自動化でき、電子帳簿保存法にも対応しやすいため、法令順守の負担を軽くできます。


主要サービス比較

クラウドサイン

弁護士ドットコム株式会社が提供する国内で導入実績の多い電子契約サービスです。初めて電子契約を導入する企業に向いています。

導入社数は130万社以上。弁護士監修による法的な安心感と、シンプルな操作性が特徴で、API連携も充実しています。

料金:

プラン月額送信件数
フリー0円毎月5件まで
ライト11,000円無制限
コーポレート30,800円無制限

初めての導入、法的な安心感を重視する企業、さまざまなシステムと連携したい企業に適しています。

freeeサイン

freee株式会社が提供する電子契約サービスで、freee会計との連携が強みです。すでにfreee会計を使っている企業に向いています。

freee会計とシームレスに連携し、テンプレート機能やワークフロー機能も備えます。バックオフィス業務を一元化したい企業に適した構成です。

料金:

プラン月額送信件数
フリー0円毎月1件まで
スターター5,478円毎月10件まで
スタンダード21,780円無制限

freee会計の利用企業、バックオフィス業務を統合したい企業、中小企業に適しています。

GMOサイン

GMOグローバルサイン・ホールディングスが提供し、認証局運営の実績を活かしたサービスです。セキュリティを重視する企業や官公庁に向いています。

当事者型・立会人型の両方に対応し、身元確認オプションも用意されています。セキュリティの高さから、大企業での採用実績があります。

料金:

プラン月額送信件数
お試しフリー0円毎月5件まで
契約印&実印9,680円無制限

セキュリティを重視する企業、当事者型署名が必要な企業、大企業・官公庁に適しています。

DocuSign

グローバルに展開する電子署名サービスで、海外取引の多い企業に向いています。180か国以上で利用され、多言語に対応します。

豊富な連携機能と高度なワークフローを備え、複雑な承認プロセスにも対応できます。

料金:

プラン月額特徴
Personal$15個人向け
Standard$45チーム向け
Business Pro$65ビジネス向け

海外との取引が多い企業、グローバル企業、複雑なワークフローが必要な企業に適しています。

比較表

項目クラウドサインfreeeサインGMOサインDocuSign
月額(有料プラン)11,000円〜5,478円〜9,680円〜$15〜
無料プランありありありなし
当事者型オプションなしありあり
日本語サポート
API連携
海外利用

導入の進め方

Step 1: 現状分析

まず自社の契約状況を棚卸しします。月間の契約件数と種類、現在かかっているコストを把握することが、サービス選定の前提になります。

確認するのは、月間の契約件数、契約の種類(雇用契約・業務委託・NDAなど)、現在のコスト(印紙税・郵送費など)、関係する部署・担当者です。

Step 2: サービス選定

現状分析の結果をもとに、自社に合うサービスを絞り込みます。判断の軸は、料金プラン・機能・連携・サポートの4点です。

具体的には、月間送信件数に合った料金プランか、必要な機能があるか、取引先が受け入れやすいか、既存システムと連携できるか、サポート体制は十分かを確認します。

選定チェックリスト:

  • 無料トライアルで操作性を確認
  • 取引先への送信テスト
  • セキュリティ要件の確認
  • 運用フローの検討

Step 3: 社内体制の整備

サービスを決めたら、運用ルールを固めます。利用規程の策定、承認フローの設計、担当者の決定、マニュアルの作成を進めておくと、導入後の混乱を防げます。

Step 4: 取引先への説明

電子契約は相手があって成立するため、取引先への説明が重要です。法的有効性とメリット、操作の簡単さ、セキュリティの4点を丁寧に伝えます。

説明にはメール文面を用意しておくとスムーズです。以下は一例です。

平素より大変お世話になっております。

弊社では業務効率化の一環として、
電子契約サービス「○○」を導入いたしました。

今後の契約締結は、電子契約での対応を
お願いできれば幸いです。

電子契約のメリット:
・印紙税が不要
・郵送の手間・時間が不要
・いつでもどこでも締結可能
・契約書の検索・管理が簡単

ご不明点がございましたら、お気軽に
お問い合わせください。

Step 5: 運用開始

導入は一気に全社展開せず、段階的に進めるのが安全です。まず社内契約(雇用契約など)から始め、協力的な取引先へ広げ、最後に全社展開します。

運用開始後は、定期的に利用状況を確認し、問い合わせ対応の窓口を設けます。現場から出た改善点を収集して反映することで、定着が進みます。


電子帳簿保存法への対応

2024年1月からの義務化

電子帳簿保存法の改正により、2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化されました。紙に印刷して保存する対応は原則認められません。

対象となるのは、メールやクラウドで受け取った契約書・請求書・領収書などです。これらは要件を満たした形で電子保存する必要があります。

保存要件:

  • 真実性の確保(タイムスタンプまたは訂正削除の記録)
  • 可視性の確保(検索機能)

電子契約サービスでの対応

多くの電子契約サービスは、この保存要件を満たす形でデータを管理します。そのため、サービスを使えば法対応の負担を大きく減らせます。

導入時に確認したいのは、タイムスタンプの付与、日付・金額・取引先での検索機能、訂正・削除履歴の保存、JIIMA認証の取得状況です。


よくある質問

Q. 相手が電子契約に対応していない場合は?

A. 紙での契約も引き続き可能です。徐々に電子契約の割合を増やしていく方針で進めましょう。説明資料を用意して理解を促すことも有効です。

Q. すべての契約を電子化できますか?

A. ほとんどの契約は電子化できますが、一部の法律で書面が義務付けられているもの(定期借地契約、宅建業法上の重要事項説明書など)は紙が必要です。

Q. セキュリティは大丈夫ですか?

A. 主要な電子契約サービスは、暗号化・アクセス制御・監査ログなど高度なセキュリティ対策を実施しています。改ざんや紛失のリスクが低く、紙より安全という見方もあります。

Q. 裁判で証拠として使えますか?

A. はい。電子署名法に基づく電子署名が付された電子契約は、裁判でも証拠として認められます。


まとめ

電子契約は、コスト削減と業務効率化を同時に実現できる手段です。導入を成功させるには、次の4点を押さえておきましょう。

  1. 自社に合ったサービスを選ぶ

    • 契約件数と料金プラン
    • 必要な機能
    • 既存システムとの連携
  2. 段階的に導入する

    • まず社内契約から
    • 協力的な取引先と
    • 徐々に拡大
  3. 取引先へ丁寧に説明する

    • 法的有効性の説明
    • メリットの訴求
    • 操作の簡単さをアピール
  4. 法令対応も忘れずに

    • 電子帳簿保存法
    • 適切な保存と管理

まずは無料プランで試して、自社に合ったサービスを見つけてください。


関連記事

業務効率化についてさらに詳しく知りたい方へ。


※本記事の情報は2025年1月時点のものです。各サービスの機能や料金は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトをご確認ください。

株式会社EMPLAY 編集部

中小企業のWeb集客・DX推進を支援するEMPLAYが、現場で得た実践知をもとに執筆・監修しています。運営会社について